村上ゆかりの日記 (浜田聡参議院議員秘書)

浜田聡参議院議員公設秘書。事務所のお仕事で調査した資料などをご紹介。

【調査資料】トヨタの認証不正問題について そもそも国際基準及び国内基準は適正に見直しがされているのか

suenagayukari.hatenablog.com

上記ブログの続きです。

 

浜田聡事務所より、国土交通省へ下記を質問いたしました。

【質問内容】

https://news.yahoo.co.jp/articles/bccbfd11f1150aa63f5fd79fd600414e1077f86f

①いわゆる、トヨタの認証試験の不正問題に関連して、後方衝突試験について上記記事にあります、下記記載について国交省の見解を伺いたいです。

 

世界中で2トン前後のEVがかなりの勢いで増えているわけです。ということは、どう考えてもガソリン車を含む自動車の型式認定の際には、

1100キロの台車を衝突させた実験ではなく、1800キロの方が現実的と言えます。もしかしたら、1800キロでも軽すぎるかもしれません。

後方衝突試験、つまり追突されても燃料漏れなどの重大な事故にならないような強度を確保する試験の場合、確かにEV時代の前であれば1100キロという数字にも妥当性があったかもしれません。

ですが、今は、1800キロから2000キロというのは必要ではないかと思うのです。普通のサイズのセダンタイプのテスラが、後方から追突してきたら、

簡単に車両の後部が壊れてしまい、燃料漏れなど重大な問題を起こすのであれば、それはやはり問題だからです。 」

「もちろん、日本の場合は軽四輪があるなど、特殊事情もあると思います。ですが、軽四だからテスラに追突されて潰れたり炎上したとしても仕方がないとは絶対に言えないと思います。とにかく、この問題に関しては、国交省も1100キロにこだわることなく、EV時代にふさわしい後方衝突試験の基準をメーカーなどと一緒に考えていって欲しいと思うのです。」

 

②このような衝突試験の基準について、これまで基準値の見直しを行ったことはありますか。もし見直しに際して、国内の車の重さなどを調査されていればその調査資料が欲しいです。

③協定(車両相互承認協定)の内容そのものは見直しがなされてきているのでしょうか。把握している範囲で教えて頂きたいです。

https://unece.org/fileadmin/DAM/trans/main/wp29/wp29regs/2015/R034r3e.pdf

(2015年の見直しが最新でしょうか?)

下記フォーラムで見直しはされているのでしょうか?

https://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha10_hh_000307.html

 

本日、国土交通省物流・自動車局 審査・リコール課より回答を頂きました。

【回答】

①について(記事内容の見解)

○ 日本の型式指定制度は、国連の自動車認証制度の枠組みと調和したものであり、試験方法についても、国連基準の規定に沿った取扱いとなっています。

○ この国連基準においては、試験条件が厳密に規定されていることから、認証にあたっては定められた試験条件をしっかり守っていただくことが前提となります。

○ また、一般論として、一つ一つの試験において、多岐にわたる項目を組み合わせて試験条件を設定しており、例えば試験台車の重量など一部の項目の違いを見ても、試験全体として厳しい条件となっているかどうかは分かりません。

○ 今般、基準の定めと異なる条件で試験を行ったことについて、トヨタ自動車から説明が無かったことにも問題があるものと認識しています。 

 

②について(衝突試験基準の見直しはしているか)

○ 我が国の衝突試験基準は、日本も参加する国連自動車基準調和世界フォーラム(WP.29)において国際基準として策定されたものを採用しております。

○ 具体的には、前面衝突試験、側方衝突試験、後面衝突試験等に関する国際基準があり、例えば、

・前面衝突試験については、水素燃料電池自動車の衝突に関する安全要件の強化(2023 年)
・側方衝突試験については、電気自動車の衝突に関する安全要件の強化(2021 年)
・後面衝突試験については、衝突速度の引き上げ(2015 年)

など、事故の実態や技術の進歩等に応じて、随時見直しが行われています。

○ また、後面衝突試験に関する国際基準では、日本が当該基準を採用した 2015 年以降、車両重量の調査を要するような国際基準の見直しに関する議論が行われていないことから、国内の車両の重量に関する調査を行っておりません。

 

③について(国際基準となる車両相互承認協定の見直し状況)

○ 協定に基づく各国際基準につきましては、前述のとおり、国連自動車基準調和世界フォーラム(WP.29)において随時見直しが行われています。

○ 例示いただいた国際基準(Regulation No. 34)については、直近では、2022 年 11 月に開催された WP.29 第 188回会合において、当該国際基準における燃料装置の安全性に関する要件が衝突時の安全性に関する他の国際基準と重複しないよう整理するための改正が行われています。 

 

国内の車両の重量の調査などは必要ではないでしょうか。

皆様もご意見があればお気軽にお寄せください。