以前、NHK党の立花孝志党首が、「イラネッチケー」というものに力を入れていたことはご存じでしょうか。
https://twitter.com/tachibanat/status/822014919985893376?s=20&t=LkDwR9qdydhutKecJUIR_Q
「イラネッチケー」とは、NHKだけを見ることができないようにするために、テレビに取り付けるフィルター装置の事です。
民放を見ることはできますが、NHKだけ見られなくなります。これは、NHKを見られなくすることでNHKとの契約を不要にできるのではないか、としてスクランブル放送(見たい人が受信料を払って視聴し、見たくない人は受信料を払わない)を実現するために一時期力を入れていたものです。
残念ながら、このイラネッチケーは最高裁で「NHKとの契約義務がある」との判断がなされました。
そもそもこのイラネッチケーが誕生したのは「何故NHKだけ映らないテレビが販売されないのか?」という問題提起から来ています。
下記記事を一部抜粋します。
「テレビ側でNHKを映らなくしてしまう方が話は分かりやすい。しかし、残念ながらそれは技術的には容易であっても法的には難しい。というのは、NHKは放送技術研究所という研究機関を所有しており、そこでテレビ放送に関する大量の特許が取得されているからである。特許データベースJ-PlatPatで検索すると、デジタル放送に関するNHKの特許は出願で1000件以上、権利化されたもので100件以上である。NHKによるものだけでなく、各家電メーカー所有のものも含めて、テレビに関する特許はARIB必須特許ライセンスとしてアルダージ株式会社によって管理されている。この特許プールがNHKの特許を含む以上、NHKが映らないテレビは、特許使用が認められない可能性が高い。」
そもそも、国民から徴収した受信料で技術開発された特許の使用は、原則として誰からの使用許可も認められるべきではないでしょうか。
そこで、NHK経営企画局へ質問してみました。
【質問内容】
NHKもしくは放送技術研究所が保有する特許とその特許権について、
- テレビを製造・販売する工程で、使用許可が必要な特許についてその詳細を教えてください。
- 1について、使用許可に際して使用料等の支払いは発生いたしますか?発生する場合、今まで使用料として支払われた実績を教えてください。
- NHKもしくは放送技術研究所が有している特許は、NHK受信料(視聴者の負担)によって開発された技術という理解でよろしいでしょうか。
- テレビを製造・販売する工程における特許については、国民の利益にかかるもののため原則として特許を開放すべきではないかと思いますが、それに対する見解を教えてください。
参考リンク
松下幸之助がラジオの特許を開放
https://konosuke-matsushita.com/episodes/management/no15.php
NHKの研究開発:広報概要
https://www.nhk.or.jp/strl/publica/giken_dayori/179/1.html
NHK経営企画局から、以下回答がありました。
【回答】
①テレビを製造・販売する工程で、使用許可が必要な特許については、「パテントプー
ル」※1 という仕組みで、特許を利用したい事業者等に一括して実施許諾している。N
HKは、放送電波の受信から映像・音声・データの提示までに必要なデジタル放送技術
に関連する特許の一部を保有している。
※1「パテントプール」複数の特許の権利者(特許権者)が、それぞれの所有する特許
の許諾に関する権限をパテントプールの管理会社に与え、一方、管理会社は預かった特
許を利用したい事業者等に一括して許諾する仕組み
②NHKは、パテントプールの仕組みの中で、実施許諾に伴う特許料を受け入れている。
特許料として支払われた契約ごとの実績について、NHKは公表していない。
③NHKの保有する特許は、受信料を主とした財源で実施した研究開発の成果となって
いる。
④NHKが保有する特許は、利用を希望する誰もが非差別・公平に利用することができ
る。利用に際しては、さらなる放送の進歩・発達のために、NHKの副次収入として、
実施許諾に伴う特許料を受け入れている。
完全に余談ですが、何故かこの質問の回答だけ「ですます」口調ではありません。笑
恐らくですが、担当部署ごとに回答を記載しているためだと思われます。
NHKが保有する特許は、利用を希望する誰もが非差別・公平に利用することができる、との事でした。
この回答にある「管理会社」に公開質問状を送ってみるか、総務省への質疑案として何か検討するのか、今後の追及については考えていきたいと思います。