末永ゆかりの日記 (浜田聡参議院議員秘書)

浜田聡参議院議員公設秘書。

【調査資料】地方自治体の窓口業務の実態 自治体の窓口業務は抜本的に見直すべき

浜田事務所宛に、「地方自治体の窓口業務は自治体にそれなりの負荷を与えていて無駄が多いのではないか」という質問がとある方より来ました。

それを受けて、参議院調査室及び国会図書館へ調査依頼いたしました。

 

【依頼内容】

地方自治体の窓口業務に関する調査資料などについて、下記に該当するものがあれば可

 


能な範囲でご調査頂きたいです。

地方自治体の窓口業務に係る人件費総額や推移

地方自治体の人件費全体に対する窓口業務に係る人件費の割合(全国平均などでも良いです)

地方自治体の予算全体に対する人件費の割合

地方自治体の予算全体に対する窓口業務に係る人件費の割合

地方自治体の窓口業務に関する課題、問題等を指摘する資料

地方自治体の窓口業務の業務量や、人以外の業務シフトによる効率化に関する調査資料

 

参議院調査室からの回答

窓口業務で発生する人件費についてですが、以下URLの窓口業務等の民間委託の参考事例集において、一部の自治体における窓口業務の延べ時間や人件費が紹介されております。ただし、全自治体の人件費の総額については、調査した限りでは見当たりませんでした。

 

○窓口業務の民間委託による効果についての参考事例集

https://www.soumu.go.jp/main_content/000590634.pdf

 

その上で、ほかの回答できる点について、以下回答いたします。

 

地方自治体の予算全体に対する人件費の割合

以下URLの資料によれば、地方の歳出合計約117.4兆円に対し、人件費は約23.1兆円(19.7%)となっております。

詳細は、以下資料10枚目の「5 性質別歳出」を御参照ください。

 

総務省「令和4年度地方公共団体普通会計決算の概要」(令和5年11月28日)

https://www.soumu.go.jp/main_content/000914099.pdf

 

 

地方自治体の窓口業務に関する課題、問題等を指摘する資料

地方自治体の窓口業務の業務量や、人以外の業務シフトによる効率化に関する調

査資料

 

以下では、窓口業務の課題や改革の方向性について、

東京都の多摩・島しょ部を念頭に、まとめられております。

 

○(公財)東京市町村自治調査会:自治体における窓口業務改革に関する調査研究

報告書

https://www.tama-100.or.jp/cmsfiles/contents/0000000/886/madoguchi_kaikaku_all.pdf

 

また近年は、オンライン申請や「書かない窓口」の導入などにより、

フロントヤード(地方自治体における住民と行政の接点)改革について、

以下URLのとおり、各自治体で取組が行われております。

 

総務省:窓口業務改革状況簡易調査

https://www.soumu.go.jp/main_content/000890182.pdf

総務省:令和5年度自治体フロントヤード改革モデルプロジェクト(補正予算

係)

https://www.soumu.go.jp/iken/fymodelr5.html

岩手県盛岡市、(一財)地方自治研究機構:行政における「リモート窓口」の実

現に係る調査研究

http://www.rilg.or.jp/htdocs/uploads/protect/R4_chousa/R4_06.pdf

 

そのほか、郵便局を活用した地方活性化方策の関連で、

自治体窓口業務等を郵便局で取り扱う動きも、以下のとおりみられます。

 

○郵便局での自治体窓口業務等の取扱いの推進

https://www.soumu.go.jp/main_content/000879309.pdf

 

国会図書館からの回答

【資料一覧】

著作権等の都合で紙媒体はタイトルのみの共有となります。

1. 総務省行政管理局公共サービス改革推進室「窓口業務の民間委託による効果について
の 参考事例集」2018.12 

https://www.soumu.go.jp/main_content/000590634.pdf

2. 総務省地方財政の状況」2023.3, pp.52-55. 

https://www.soumu.go.jp/main_content/000870281.pdf

3. 「自治体窓口 DX「書かないワンストップ窓口」」デジタル庁ウェブサイト 

自治体窓口DX「書かないワンストップ窓口」|デジタル庁

4. 『自治体における窓口業務改革に関する調査研究報告書―人口減少社会に対応できる
窓口を目指して―』東京市町村自治調査会, 2020, pp.28-29.34-35.
5. 太田裕介「北海道北見市の「書かない窓口」(自治体デジタル化の現在地)」『月刊自治研』63(742), 2021.7, pp.46-53.
6. 小川和成「業務改革モデルプロジェクト委託団体の取組み(12)セルフサービス化による窓口業務改革事業」『住民行政の窓』470 号, 2019.7, pp.16-21.
7. 「自治大生の政策立案研究 優秀論文(第 139 回)窓口業務改革から始める地方自治体の未来づくり―アウトソーシング・DX による人的資源の有効活用―」『自治実務セミナー』740 号, 2024.2, pp.36-39.
8. デジタル庁自治体窓口 DX(書かないワンストップ窓口)担当「NEXT STEP デジタル庁
(第 11 回)「窓口 DXSaaS」について」『J-LIS』632 号, 2023.11, pp.55-59.
9. 甲峻英「伊丹市における「スマート窓口」の導入(デジタル技術を活用した世界の行政サービス)」『自治体国際化フォーラム』409 号, 2023.11, pp.15-16.
10. 「広がる「書かない窓口」―人件費削減、従来業務見直しも―」『地方行政』11233 号,2023.8.21, p.6.
11. 「地方自治研究機構調査研究レポート(第 16 回)岩手県盛岡市「行政におけるリモート窓口の実現に係る調査研究」」『自治体法務研究』76 号, 2024.春, pp.112-117.
12. ニコラス ラーセンほか「デンマークの行政機関における窓口業務改革と日本での適用可能性」『行政&情報システム』603 号, 2023.6, pp.52-57.
13. 戸塚芳之「業務改革モデルプロジェクト委託団体の取組み(15)地方独立行政法人制度を活用した窓口業務改革」『住民行政の窓』474 号, 2019.11, pp.15-23.
14. 「窓口業務改革状況簡易調査」総務省ウェブサイト 

https://www.soumu.go.jp/main_content/000890182.pdf

 

国会図書館からの総務省資料「窓口業務改革状況簡易調査」を取り上げます。

2023年の調査のため、比較的新しいです。

リモート窓口に移動窓口…電話と郵送で対応できない想定なのでしょうか。窓口業務改革という名でも、対人を前提とされているところに違和感があります。

窓口にたどり着くことが前提となっている業務改革のようです。

窓口ありきなのがやはり気になります。

来庁者の手続きをデジタル化していない自治体が約8割という衝撃的な数字がありました。(1382団体)

導入していないところは一体何故導入していないのでしょう。

 

自治体の窓口業務をなくすことは不可能です。しかし、効率化は行政の責務ではないでしょうか。実態を見る限り、効率化が進んでいるとはとても思えません。当然ながら、効率化していないという事はそのぶん無駄にコストもかかっています。

単純な申請はオンラインで完結し、相談や複雑な手続き、対人対応が必要な方への対応のみを窓口とすべきだと思います。