末永ゆかりの日記 (浜田聡参議院議員秘書)

浜田聡参議院議員公設秘書。

【調査資料】社会保障費の自然増額ってこの先どうなる見込みなのか?そもそも政府は把握している?

社会保障費の自然増額について、このように報道でも取り上げられることがあります。

www.nikkei.com

過去には質問主意書も出ているようです。

社会保障関係費の「自然増」に関する質問主意書:質問本文:参議院

社会保障関係費の「自然増」に関する質問に対する答弁書:答弁本文:参議院

 

【質問本文】社会保障関係費の「自然増」に関する質問主意書

 平成二十七年一月十四日、歳出総額九十六兆三千四百二十億円に及ぶ平成二十七年度一般会計予算政府案(以下「平成二十七年度予算案」という。)が閣議決定された。
 平成二十七年度予算案では、社会保障関係費として三十一兆五千二百九十七億円が計上されており、一般会計歳出総額に占める割合は三十二・七パーセントと、およそ三分の一を占めるに至っている。
 また、前年度予算における社会保障関係費と比較しても、一兆三十億円の増加(三・三パーセント増加)が認められ、社会保障関係費の抑制が財政健全化に向けた課題となっている。
 これに先立ち、政府は、「平成二十七年度予算の概算要求に当たっての基本的な方針について」(平成二十六年七月二十五日閣議了解。以下「基本方針」という。)において、年金・医療等に係る経費について、「高齢化等に伴ういわゆる自然増として八千三百億円を加算した額の範囲内において、要求する。(中略)上記自然増について高齢化による増加とそれ以外の要因による増加などその内容を厳しく精査していく(以下略)。」という方針を示している。
 この基本方針から、政府は、社会保障関係費の増加を、「高齢化等に伴ういわゆる自然増」とそれ以外の増加に分けて捉えていること、さらには「高齢化等に伴ういわゆる自然増」を「高齢化による増加」と「それ以外の要因による増加」に分けて捉えていることが伺われる。
 一般的に「自然増」とは、「成り行きのままにしておいて増えること」(「大辞林」第三版)と解されるため、「高齢化」といった不可避的な要因による「自然増」と捉えた場合、その増加は不可避的な要因によるやむを得ないものという意識が働き、歳出抑制への努力が働きにくくなることが考えられる。
 しかし、基本方針にも示されているように、「高齢化等に伴ういわゆる自然増」であっても、その内容を厳しく精査していくことが求められる。
 そこで、以下質問する。

 

一 社会保障関係費における「高齢化等に伴ういわゆる自然増」と認められるための要件について、政府の見解を明らかにされたい。

二 社会保障関係費における「高齢化等に伴ういわゆる自然増」のうち、「高齢化による増加」と認められるための要件について、政府の見解を明らかにされたい。

【答弁】一及び二について

お尋ねの「高齢化等に伴ういわゆる自然増」とは、一般会計において、当該年度の概算要求時点における年金、医療等の社会保障給付に要する経費であって、義務的な性質を有するもののうち、人口の高齢化等の他動的な要因による前年度当初予算額からの増加分をいい、このうち、その増加の要因が高齢者人口の伸びであるものを「高齢化による増加」としている。

 

三 医療における報酬改定及び医療の高度化並びに介護におけるサービスの充実に基づく社会保障関係費の増加は、それぞれ「高齢化等に伴ういわゆる自然増」に含まれるのか、政府の見解を明らかにされたい。

【答弁】三について

一及び二についてで述べたとおり、毎年度の概算要求時点における「高齢化等に伴ういわゆる自然増」は、他動的な要因による前年度当初予算額からの増加分であり、当該年度以降の予算編成過程で決定される診療報酬改定による社会保障関係費の影響額は他動的な要因によるものではないことから、「高齢化等に伴ういわゆる自然増」に含まれていない。他方、医療の高度化による社会保障関係費の影響額については、他動的な要因によるものであり、「高齢化等に伴ういわゆる自然増」に含まれている。また、お尋ねの「介護におけるサービスの充実」が具体的に何を指すのかが必ずしも明らかではないため、その充実に基づく社会保障関係費の影響額について、お答えすることは困難である。

 

社会保障費の自然増額については、来年度だけではなく、ある程度推計されているはず(推計されているべきもの)だと思います。

そこで今後5年間の自然増額の推計について調査してみました。

 

参議院調査室へ調査依頼したところ、下記回答がありました。

来年以降5年間、自然増分の毎年ごとの費用額を示した資料については、お探しした限りでは見当たりませんでした。

一方、政府は、自然増そのものではありませんが、社会保障給付費の将来見通しを作成しております。

2040年を見据えた社会保障の将来見通し

なお、政府は、2022年以降の自然増の見込みについて、平成30年3月時点では下記【資料2】のように想定していましたが、実際の数値は下記【参考3】のようになっています。

【資料2】

 

経済・財政一体改革の中間評価(経済・財政一体改革推進委員会 平成30年3月)

 

資料2抜粋

 

【資料3】令和4年度予算の編成等に関する建議(財政制度等審議会 令和3年12月3日)参考資料2

資料3抜粋

今後の見通しについては、「人口的にボリュームが大きい「団塊世代」が75歳以上

になる2025年以降、自然増は、高くなる公算が大きい」との予想もされています。

2020年度の社会保障予算を分析する-自然増を5,000億円以下に抑えたが、「帳尻合わせ」の側面も |ニッセイ基礎研究所

www.nikkei.com

 

また、財務省及び厚生労働省に対しても「社会保障費の自然増額」来年以降5年分を質問してみたところ、下記回答がありました。

財務省
令和6年度の社会保障関係費の自然増額は「令和6年度予算 概算要求基準閣議了解(令和5年7月25日)」で公表した5,200億円となっております。なお、令和7年度以降の自然増の金額は当省では試算しておりません。

https://www.mof.go.jp/policy/budget/sy230725c.pdf


厚労省
6年度の自然増については、政府全体で5200億円。そのうち厚労省分として4800億円。7年度以降の自然増については、厚労省として把握していない。

 

財務省厚生労働省も、令和7年度以降の社会保障費の自然増額については把握していないとの回答でした。何故、、。

 

本件、社会保障費についてはレカネマブの承認を受けて今少し話題になっていますが、追加で知りたいこと等ある方はお気軽に浜田聡事務所宛に下記フォームよりお問い合わせください。

www.syoha.jp