少し前に「町内会や自治会に入らないとゴミが捨てられない」「ゴミを捨てるため高額の町内会費を取られることに納得できない」というご相談を受けて、諸派党構想・政治版の活用により調査をしたことがあります。
少し時間が空きましたが、、この件について、質問主意書を浜田聡事務所より提出しました。
町内会や自治会に入会しないとごみが捨てられない等の町内会及び自治会の問題に関する質問主意書:参議院
▼質問本文
町内会や自治会に入会しないとごみが捨てられない等の町内会及び自治会の問題に関する質問主意書
廃棄物の収集及び排出、いわゆる日常生活等で国民がごみを適正に捨てる環境を整える事は、国民の生活環境の保全及び公衆衛生の向上を図る為に国や自治体が責務を負うべきものである。
廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下「廃棄物処理法」という。)第四条には、国及び地方公共団体の責務が規定されており、同条第一項には次のように定められている。
「市町村は、…一般廃棄物の適正な処理に必要な措置を講ずるよう努めるとともに、一般廃棄物の処理に関する事業の実施に当たっては、…施設の整備及び作業方法の改善を図る等その能率的な運営に努めなければならない。」
また同条第三項には次のように定められている。
「国は、廃棄物に関する情報の収集、整理及び活用並びに廃棄物の処理に関する技術開発の推進を図り、並びに国内における廃棄物の適正な処理に支障が生じないよう適切な措置を講ずるとともに、市町村及び都道府県に対し、前二項の責務が十分に果たされるように必要な技術的及び財政的援助を与えること並びに広域的な見地からの調整を行うことに努めなければならない。」
他方、町内会又は自治会に入会しないとごみが捨てられないというトラブルの報告は各方面において散見され、各地域で起きているものとみられる。自治会への非加入を理由に、地域のごみ捨て場の利用を禁じられたのは違法として兵庫県神戸市で起こされた訴訟では、令和四年十月、大阪高裁で自治会側の違法性が認められ、最高裁で争われている。
町内会及び自治会はいずれも入会は任意であるにも関わらず、非会員という理由だけでごみを捨てられない人が一定数存在し、いわゆるごみ屋敷等が発生するのは廃棄物処理法上問題であると考える。これら自治会とごみ収集に関するトラブルは表面上の問題で、本質的には、廃棄物処理法に定められた、国民の生活環境の保全及び公衆衛生の向上のための然るべき措置を国又は地方公共団体が懈怠している事が問題であると考える。
これらを踏まえて、以下質問する。
一 一般廃棄物の適正な収集に関して責務があるのは、町内会又は自治会ではなく、廃棄物処理法第四条第一項に基づき市町村であると考えるが、政府見解如何。
二 自治会非会員がごみ収集所を利用できない等の理由でごみが捨てられない事態に陥った場合、地方公共団体が相談に応じる必要があると考えるが、見解を伺う。
三 仮にごみ収集所の管理を自治会任せにして、自治会が管理しなければ当該地域のごみ収集が適正に行えない事態に陥っている地方公共団体は、ごみ収集所の管理業務を自治会ではなく地方公共団体に当該業務を移管する等の見直しを検討する等、当該地方公共団体が然るべき措置を執るべきではないか、見解を伺う。
四 廃棄物処理法第四条第三項において国には「国内における廃棄物の適正な処理に支障が生じないよう適切な措置を講ずる」とされているが、自治会のごみ収集管理業務を含めた自治会の業務負担やごみ収集に関する地域住民が抱えるトラブル等においては、訴訟等に発展する前にまず地方公共団体が積極的に地域住民等と対話を重ねて地域ごとの適正な解決策を見出す責務があると考えるが、政府見解を示されたい。
▼答弁
一について
御指摘の「適正な収集に関して責務がある」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、市町村は、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下「法」という。)第六条の二第一項において、一般廃棄物処理計画に従ってその区域内における一般廃棄物を生活環境の保全上支障が生じないうちに収集しなければならないこと等とされている。
二から四までについて
御指摘の「相談に応じる」、「ごみ収集所の管理を自治会任せにして」及び「自治会のごみ収集管理業務を含めた自治会の業務負担やごみ収集に関する地域住民が抱えるトラブル等」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、一についてで述べたとおり、市町村は、法第六条の二第一項において、一般廃棄物処理計画に従ってその区域内における一般廃棄物を生活環境の保全上支障が生じないうちに収集しなければならないこと等とされているところ、お尋ねについては、市町村において、これらの関係法令等に従い、個別具体的な状況に即して適切に判断されるものであり、一概にお答えすることは困難である。
▼参考 廃棄物の処理及び清掃に関する法律