先月、浜田聡議員が「ベビーライフ事件」について参議院総務委員会で質疑しています。
これに関連して、事実はわからないものの、そもそもベビーライフ事件で疑われている「人身売買」「人身取引」について正確に把握するため、参議院調査室へ調査依頼いたしました。
【依頼内容】
人身売買または人身取引に関して
①関連する法令、条約、構成要件や罰則など
②過去に犯罪としてつかまったり問題となった事例(主要なもの)
∟主要なものに加え、乳児や子供の事例もあればほしいです。どのようなケースが
多いのか等が知りたい
③②についてどのような経緯で問題が表面化したのか経緯がわかれば、その詳細
【回答】
①①関連する法令、条約、構成要件や罰則など
国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約を補足する人(特に女性及び児童)の取引を防止し、抑止し及び処罰するための議定書(略称 国際組織犯罪防止条約人身取引議定書)|外務省
第三条
「人身取引」とは、搾取の目的で、暴力その他の形態の強制力による脅迫若しくはその行使、誘拐、詐欺、欺もう、権力の濫用若しくはぜい弱な立場に乗ずること又は他の者を支配下に置く者の同意を得る目的で行われる金銭若しくは利益の拝受の手段を用いて、人を獲得し、輸送し、引き渡し、蔵匿し、又は収受することをいう。搾取には、少なくとも、他の者を売春させて搾取することその他の形態の性的搾取、強制的な労働者若しくは役務の提供、奴隷化若しくはこれに類する行為、隷属又は臓器の摘出を含める。
第五条 次の各号のいずれかに該当する外国人は、本邦に上陸することができない。
七の二 人身取引等を行い、唆し、又はこれを助けた者
第二十四条 次の各号のいずれかに該当する外国人については、次章に規定する手続により、本邦からの退去を強制することができる。
四 本邦に在留する外国人(仮上陸の許可、寄港地上陸の許可、船舶観光上陸の許可、通過上陸の許可、乗員上陸の許可又は遭難による上陸の許可を受けた者を除く。)で次のイからヨまでに掲げる者のいずれかに該当するもの
ハ 人身取引等を行い、唆し、又はこれを助けた者
人身取引議定書を担保する罰則一覧表『人身取引対策行動計画2014』
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/hanzai/kettei/141216j/honbun.pdf
▼罰則一覧表
▼人身取引被害者保護の流れ
▼人身取引事案の取扱方法
②過去に犯罪としてつかまったり問題となった事例(主要なもの)
【人身取引対策推進会議】
人身取引(性的サービスや労働の強要等)対策に関する取組について(年次報告)
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/jinsintorihiki/dai9/honbun.pdf
③②↑についてどのような経緯で問題が表面化したのか経緯がわかれば、その詳細
「令和4年における人身取引事犯の検挙状況」『令和4年における風俗営業等の現状と風俗関係事犯等の取締り状況について』(警察庁生活安全局保安課、2023.5)
※表面化の経緯が分かる資料は見当たりませんでしたが、32頁には人身取引事犯の主要検挙事例として売春防止法違反が挙げられており、売春防止法違反の捜査を通じて人身取引事犯が発覚することが考えられます。
また、②資料では入国管理の徹底、在留管理の徹底、技能実習制度の適正化等が挙げられており、これらを通じて人身取引事犯が発覚することも考えられます。
ベビーライフ事件に関する情報提供は、下記より浜田聡事務所宛にお願いいたします。